時々世の中に見かけるクレーマー。
私も経験がありますし、傍から見てもそのクレームを受けている当事者が気の毒でなりません。
出来れば人生で会いたくないクレーマーですが、
最近不思議で、かつとんでもない事があったので、その実体験をご紹介したいと思います。
筆者こと私という人間
先ずは最初に自己紹介をしましょう。
現在私は、百貨店で販売員の仕事をしており、
大学在学中に入社した販売の仕事を卒業後にも続け、今では社員になりました。
勿論接客業を続けているので、その分クレーマーに遭遇することが多いのですが、
私の悩みはそんな事ではありません。
実は、一緒に働いている女性のスタッフがいるのですが、
その方と相性が悪いのか、なかなか打ち解けられない現状がありました。
「それ持ってきていただけます?」
仕事上出てくるセリフとしては問題無いはずですが、
「….はい?!」
と、いかにもその指示が気に食わないといった表情をしているので、
本来協力をしていきたいところを出来ず、日々悩んでおりました。
私自身、人の目が気になったり、物事をネガティブに考えてしまったりする癖があるので、
そのスタッフさんとの現状は私にとって大きな悩みの種でした。
日々働く上でその状況を何とか出来ないものかと思い、
ある時解決方法を探る為に占いへ行くことにしたのです。
そしてその占いがまさかあんな事になるとは…
占いおばば
私は自身の悩みを解決する為に、評判が良いと噂の占いのお店に行くことにしました。
金額は30分6000円。
ちょっと高いなと思いつつ、私は覚悟を決めてその店に入ります。
(占い師っぽい顔立ちだな…)
失礼だとは思いますが、私を占ってくれるその占い師は、普段会うお客様とは似ても似つかないような風貌と顔しており、改めて占い師という仕事は変わっているなと思いました。
「お願いします」
私は緊張しながら言います。
「どんな事にお困りですか?」
そのおばあちゃん占い師はゆっくりと喋ります。
「実は、職場に居る女性のスタッフに嫌われているようで、どうすれば普通に接してくれるのか分からないのです」
私は真剣な面持ちで言います。
「分かりました。それではタロットで占いますので、その女性を想像しながらこのタロットの束に触れて下さい」
「はいっ」
私は重く感じる手を上げてそのタロットに触れました。
「では、占います」
そして、タロットのシャッフルが始まり、よくタロットで見かける絵柄が次々と机の上に展開されていきます。そして、
「えっーと…、その女性は貴方のことが好きみたいですよ。だから、逆に貴方に甘えるという意味でそんな態度を取っているのかもしれませんね。所謂ツンデレというものでしょうか」
「えっ…?」
私はあまりに予想外な答えに一瞬戸惑ってしまいました。
(でも、そんな感じじゃないんだよな…)
私は占い結果に納得がいかないような感じを持ちつつ、質問をします。
「因みに私のどんなところが好きそうですか?」
「じゃあまた、占いますね」
そして、またタロットの結果が出ます。
「そうですね、貴方の明るいところや優しいところが好きみたいで、傍にいると安心するみたいですね」
(うーん…そんなに俺明るくないしな…)
私は、自身が感じている現状と真逆な事を言われるので、
占い結果に対してだんだん不信感が出てきてしまいました。
そして、占い師は更に続けます。
「ただ、貴方は人の話を聞かないところがあるからそれを気を付けた方がいいかもしれませんね」
最後に占い師はこう付け加えました。
私が納得いかないというような顔を終始しておりましたが、
それが気になったのかその占い師からこのような質問がきたのでした。
まさかのクレーム
占い師から私の表情を見てこんな質問がありました。
「結果に納得いきませんか?」
私はそう聞かれて、本音を出しつつ答えます。
「そうですね…現状その女性のスタッフさんとはそんな感じがしないというか、別の原因があるのではないかと思うような気がするんですよね…」
するとまさかのこんな返答が占い師から出ます。
「せっかく占っているのに、そうやって結果を受け入れようとしないから上手くいかないように見えるんじゃないですか?」
(えっ…?)
私はその時に絶句してしまいました。
「貴方が占いに来ている以上、その自身の問題に向き合わない限り占いに頼っても仕方ないし、私としても困るんですよ」
何とどうやら私は、お客さんの立場としてのクレームを入れられているようです。
つまり、お客さんの立場として占い師の言葉を素直に受け止め、
その通りに考える事が常識であり、そうでなければ占いに来てもらっても困るというのです。
私としては折角悩みを解決する為に高いお金まで払って来ているのに、さらに悩みが増えたような気がして、非常に心の中が苦しくなりました。
「分かりました…とりあえずそのスタッフさんともう少しこちらから声を掛けてみるなどしてみようと思います」
私はそう言ってその占いを30分経つ前に終わらせてお店を出ました。
(最悪だ…まさかお客さんとして行って、そのお客さんの在り方に関して苦言を言われるとは…)
その日私は、失望しながら自宅でジッと座り込んでその日を過ごしてしまいました。
後日談
以上、私が体験をしたとんでもなく不幸な体験でした。
(こう言ってしまうとただの愚痴になってしまい申し訳ございません)
後日談ですが、私は勇気を出して他のスタッフさんに今の悩みを相談してみました。
すると驚くことに、そもそもその女性スタッフは男性恐怖症で、
過去に辛いことがあったのか、男性と話すこと自体好きではないという事が分かったのです。
私はそれならしょうがないと腑に落ち、ある意味ホッとしました。
そして、逆に今度はあの占い師に対して怒りが込み上げ、別の悩みが出来てしまいました。
人生とはなかなか上手くいかないものですが、くじけず頑張ろうと思った次第でございます。
diary.st著