はじめに
クレーム(苦情)を言う人とクレーマーは違います。お客様の期待を大きく下回ったときに発生するのがクレーム一方的な不満や過度な要望をするのがクレーマーです。ある日、店で怒鳴っているクレーマーに遭遇しました。クレーマーと客に対する、その時の店側の対応を紹介します。最終的に私たち客が警察を呼ぶことになります。他にも色んな考え方はあるかもしれませんが、そのうちのひとつと思って読んでください。
クレーム(苦情)を言う人と「クレーマー」は違います。
携帯ショップでの出来事
ずいぶん前の携帯電話ショップでのお話です。その日の店内はかなり混んでいて、みんな番号札を取り順番を待っていました。今では予約が一般的になりましたが、当時はよくある状況です。店内にある写真や漫画を読みながらゆっくり待っていると、 怒鳴り声が受付側から聞こえて、みんなが一斉にそちらを見ました。するといつの間にか車いすの男性が受付のそばにいて「早くしろ」と叫んでいるのです。
優先順位の勘違い
みんなが注目する中、車いすの男性は大声で怒鳴り続けます。
「早くしろ、車いすは優先順位は先だ!いつもいつも遅すぎる、待たせるな!」
この店のどこにも、障害者優先の文字はありません。きっと、別の場面での優先を、なんでも優先されるものと勘違いしたのでしょう。
しかし、大声をあげれば、何でも言うことを聞いてくれるという考えは間違っています。
逆差別の現実
男性は周りが苦痛に感じるほど、ひたすら怒鳴り続けています。
店の人が何度並ぶように言っても、言い分はこうです。
「なぜ、並ばなければいけないのか、障害者は優先だ!」
次の順だった女性が、見るに見かねて順番を譲ろうとしました。
それを聞いた周りの人が「あなたの順番をあげるの?」と確認します。
納得です。
一人の対応に30分以上かかる場合もあるのです。
1人が割り込むことで、あとの時間がその分ずれこむことになります。
順番を譲るなら女性は最後に並び直す必要がありました。
今から順番を取り直すと、何時間後になるかわかりません。順番を譲ろうとしたその人は、それは困ると、先の言葉を撤回しました。
障害者だから優先されるのではありません。
この場合、障害者だからといって順番が優先されることはありません。
もし、先の女性のように順番を譲ったとして、それは親切でしょうか。
出来るはずの待つこと放棄させる、単なる逆差別になるかもしれません。
もちろん、座る場所が確保できなかったり、補助が必要な場合には周囲の人も協力的に対応した可能性があります。ただ、あんなに怒鳴っては対応する気にならないかもしれません、人には感情がありますから。
周囲の客の対応
その様子を終始見ていた客のひとりが、その車いすの男性に声をかけます。
「みんな順番待ってますよ。順番カードを取りましょうか。」
せっかくの言葉も、男性には無駄なようです。
「うるさい!何を言っているんだ、俺はここで待っているんだ!早くしろ!」
別のお客さんは言います。
「あのね、車椅子だからって、なんでも優先されるわけじゃないんですよ。ここは携帯のショップ店です。みんなが来た順に待っているんです。あなたもおとなしく待ってたらどうですか?」
ご想像のとおり、その言葉に男性はヒートアップし更に怒鳴り始めます。
もしかすると、精神的疾患があるのかもしれません。
言葉をかけても無駄なんだな、という空気が店内に流れ始めました。怒鳴りたいだけ怒鳴ればいいですが店内にいる客はかなり嫌な気持ちになっていました。
クレーマーへの店の対応
店員は終始オロオロするだけで、男性に同じ言葉を繰り返すだけです。
「しばらくお待ちください。申し訳ありません。」
心配した私たちは「大丈夫ですか?警察呼びましょうか?」と声をかけました。
それに対し、店側は「いつも来る人なんです。」という回答のみで、特に何かしようとはしませんでした。
私は、おかしいと思いました。
その車椅子の男性も客の一人ですが、私たちも客なのです。
ショップはその男性への対策のみで、同じ場所に居る私たちが不愉快な思いをしていることには何の対策も無いのです。
店は、不愉快な思いしている客に何の対応もしませんでした。
結果どうなったか
客同士は顔を見合わせ、今の状況についてどうするか考えました。
いつも来るクレーマーかもしれませんが、私たちには関係ない話です。
その男性がいるせいで、私たちの順番は一向に進みません。
そして不愉快です。
考えた結果、警察を呼ぶことにしました。
店に許可を得る必要はありません。
その後、警察が来ましたが、その男の人は気にせず怒鳴り続けています。
店員は、そこで初めて私たちに「お騒がせして申し訳ありませんでした。」と謝ります。
しかし、その時はすでに、ほとんどの客は帰ってしまったあとでした。
クレーマーに気を取られ、一般客への対応をないがしろにした店は、ある意味信用を失った状態です。クレーマーが存在した時点で、時間がかかるのがわかっていたはず。
他の店舗を案内するなど対策を取った方が良かったですね。
そして、なぜ店が警察をすぐに呼ばなかったのか疑問です。
いつも来るクレーマー、しかも怒鳴り続け、客に迷惑がかかることがわかっているのです。
おわりに
今回は携帯ショップ店で怒鳴り続けたクレーマーについてお話ししました。店の人が何の対策もしてないと思った場合には、できるだけ早く警察に連絡しましょう。自分たちにできることは限られています。店側も、もし定期的に同じクレーマーがくるようでしたら、先に対策をとっておく必要があります。そしてほかの客に対してのフォローも必要だと感じました。色んな考え方があるかもしれませんが、そのうちの一つだと考えていただければ光栄です。
haruka_moon著